第3章
「主体的な学び」をデザインする
【P:プラン】




四中校区がめざす「主体的な学び」の姿とは、自分で問いを立てて解く姿である。知らないことを学ぶ授業において、「初めてで、むずかしい」「やり方を習ったけど、なぜそうなるかはわからへん」「覚えなあかんことばっかりで、おもしろくない」という、勉強→むずかしい→わからない→きらいという図式が出来上がることがある。しかし本来、人は好きなことや興味のあることは自然に覚え、もっと知ろうとするものである。知りたいと思ったことを知ることはとても興味深く、ワクワク感を伴う。
このことを毎日の授業で活かせないものだろうかと考えた。見えてきたのは学びへの意欲を持たせることと、教え込みの授業からの脱却である。その解決のための学習スタイルが「主体的な学び」であると考える。「知ることっておもしろい」「次はこれについて学びたい」と自ら学ぼうとする姿勢の追求である。ただし、好きなことをすすんで学ぶ自主的な学びにとどめるものではない。なぜなら、それでは好きではない課題に出会ったとき、乗り越えようとする気力も方法も育めないからである。どんな課題に直面しても自ら、また仲間と乗り越えていく姿勢を身につけさせるためには、「主体的な学び」でなければならないと考える。これこそ四中校区のめざす未来をよりよく生きる力を育むことにつながるはずである。そんな子どもたちを育みたい。
そのために「主体的な学び」をデザインするとは、自分で問いを立てて解く姿をめざして授業づくりの柱を共有し、実践するためのポイントを整理することである。「主体的な学び」は全教科共通のキーワードであり、小中一貫して取り組む意義は大きい。「主体的な学び」の要素を学ぶべき内容とともに学ぶ仲間と分析ツールの3つに整理し、それに見合う授業づくりの柱を「解きたくなる問い」と「ソロT-コミ-ソロU」「学びの倉庫」の3つとした。

「主体的な学び」イメージ図



「主体的な学び」は「解きたくなる問い」で始まると考える。学ぶべき内容を「解きたくなる問い」として子どもたちの前に提示する。このとき、子どもたちの学習意欲のスイッチが入る。すると、問いを解くための学習サイクルが回り出す。初めは、一人でじっくり考え、自分の意見をもつ「ソロT」。次に一人ひとりの考えを持ちより、仲間の考えに出会い、論議し相談し、すり合わせ、深めていく「コミュニケーションタイム」。最後に見つけた問いの答えからこの時間の学びを自分の言葉で言語化し、自分の学びにつなげる「ソロU」。思考・判断・表現の力をつけるための考える⇒深める⇒つなぐサイクルとしての「ソロT-コミ-ソロU」である。こうして子どもたちは学ぶおもしろさと手応えを感じ、「主体的な学び」の姿勢を身につけていくと考える。
また、一方では問いを解くための活用サイクルも回り出す。まず、「学びの倉庫」から問いを解くためのもとになる既習事項や体験を取り出す。次に学びの場(授業・単元)で、取り出したものを自分の考えの材料や意見を交流するときの根拠としながら、使う。そして見つけた問いの答えからこの時間の学びを言語化し、再び「学びの倉庫」に入れておく。これが次の新たな問いを解くための活用ツールとなる。知識・技能を出す⇒使う⇒入れる場所としての「学びの倉庫」である。このサイクルを経験することで、子どもたちは自分の力に自信をもち、学び合うことがそれぞれの力を高めることに気づき、「主体的な学び」の意味を見出していく。
 「ソロT-コミ-ソロU」は問いを解くための学習形態であり、「学びの倉庫」は問いを解くための活用ツールである。どちらも解くための「問い」がなくては始まらない。「ソロT-コミ-ソロU」と「学びの倉庫」のサイクルがそれぞれ回り出すためには、「解きたくなる問い」が提示され、子どもたちの学習意欲のスイッチを入れることが何より重要であると考える。
 この学びをくり返すことにより、「解きたくなる問い」は、自ら見つける「解きたい問い」に変わっていき、問いを解く力がますます磨かれる。この時、自分で問いを立てて解く「主体的な学び」のサイクルが大きく回り始める。この姿こそが、四中校区がめざす「主体的な学び」の姿である。

 また、「主体的な学び」をすすめる上で重要な言語力の育成については、「ソロT-コミ-ソロU」の学習形態の中で言語活動の充実として行う。コミで行われる、記録、要約、説明、論述といった言語活動の目的は、『思いや考えを表現し伝え合う』ことである。自分の考えをもち、多様な意見と出会い調整していく力を獲得させるために行うものである。子どもたち一人ひとりの言語力を高める取組を地道に続けながら、言語活動を充実させることで「主体的な学び」を引き出したい。




 
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