研究のあゆみ 二年次 平成23年度


■研究
二年次、「学校での学びを、実生活や実社会の中で活かしきれていない」という校区の課題を誰もがイメージできるものにできないのか考え、「学びの空洞化」という言葉で表現することした。その言葉は、「授業おもしろくない」「役に立たない」そんな子どもたちの声と向き合うこと、つまり、この研究は、私たちにとって「日々の授業改善」とのたたかいであることを意味していた。 


*第一回運営指導委員会
夏休み、運営指導委員会を開いた。少し見えたかに思っていた研究の成果を説明したが、「研究開発学校としての気構えがわかっているのか」と再び指摘を受けた。この研究の意義と方向性をていねいに指導していただく貴重な機会となったが、「学習指導要領の問題点を指摘する」という研究開発学校の使命を明確に果たすような、また全教職員がベクトルを合わせられるような研究に至っていなかったことを痛感した。私たちに残された年月を考えると、焦る気持ちがつのった。


*「社会参画力」との出会い
事務局では、今一度、ていねいに、新学習指導要領の読み込みと、子どもたちの課題の掘り起こしをした。そして、「これなら課題解決につながる」と考えたのが「社会参画力」だった。  
子どもたちが自分をとりまく社会から課題を見つけ出すこと、自分と違う意見や価値観に出会いながら粘り強く解決方法を考えること、周囲に働きかけていくことで、社会とつながり、社会を創る子どもになってほしいとの願いからであった。
「社会参画力」の育成によって課題解決をはかるという明確な方向性を定めた。子どもたちをとりまく社会を「家庭」「学校」「地域」「社会」という四つのカテゴリーに整理し、各学年が取り組むテーマも定まっていった。各テーマを「今」と「未来」に分け、今と未来それぞれ十二時間ずつ、合計二十四時間でひとつのテーマを学習することにした。


*S-RPDCA学習サイクルの開発
新領域の「学び方の開発」について、文部科学省からは細かくていねいに開発するように指導を受けていた。考えることで終わらせず、「実行・改善」までチャレンジし、子どもが学習を通して「生き方」を考えられるように「学ぶ過程」を大事にしてほしいとも助言を受けていた。これらの指摘を活かし、校区を誰より長く見つめ続けてきた研究者から何度も指導を受けながら開発したのが、課題解決方法を習得する「学習サイクル」である。この学習サイクルを何回も繰り返し学習することで、社会参画力が育成できると考えた。


*文部科学省実地調査
 十一月、文部科学省の実地調査を受けた。小中の授業を公開した後、研究に対する指導助言をいただいた。杉田洋先生からは、研究内容だけでなく、研究を進める組織づくりなど多岐にわたりご指導をいただいた。校区は多大なエールをいただくこととなった。


*第二回運営指導委員会
十二月、運営指導委員会を再び開いた。「社会参画力」や、新領域の方向性や学び方が少しずつ明確になり、ようやく研究内容についての指導を受けることができた。社会参画力といいながら、「社会」との関連が弱いことや、「いまとみらい科」といいながら、「未来」の要素が弱いのではないかなど、具体的な指導をいただいた。各教科等と新領域の関連表を作成する必要性も指摘していただいた。
一月、研究開発学校フォーラムへの参加を希望して、指導を受けた。S-RPDCA学習サイクルや、カテゴリーの見直しにつながる細やかな指導をいただくことができた。


*中間発表会開催
一月、中間発表会をおこない、三校の全学級で新領域の授業公開をおこなった。全国から参会いただき、今と未来を生き抜く「社会参画力」を小中九年間で育むという、この研究の意義をあらためて全教職員で確認することができた。




■組織
新領域の単元は、二つの小学校、また、単元によっては、小中が合同で開発した。そのため一貫研究全体会だけでなく、小小や小中の合同学年会を月一回おこないながら、研究を進めることとなった。その結果、年度当初の予定をこえて、職員が集まったり、教材研究に出かけたりする姿が見られた。
また、三校の職員が共に先進校視察に出かけ、学ぶ中で、校区の「聴く・話す」ステップ表を作成した。そして一貫研ニュースを発行するなど校区で研究を進めていくという文化を創っていった。時には、楽しい企画も経ながら「チーム四中校区」として前進した一年であった。




 
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