☆ 西 大 冠 小 学 校 ☆                              

西大冠小学校の校庭の草花ー粕谷正明                            


粕谷校庭には、ふだん見過ごしがちな野草がたくさん生えています。
いつもは、いわゆる雑草として、じゃま者 扱いされることが多いかも知れませんが、よく見ると季節の移り変わりとともに、かわいい花を 咲かせたり 実を結んだりしてたくましく生きています。身近な野草の観察を通じ、子どもたちが少しでも自然に興味を もつようになれば幸いです。

(参考書籍)
「柳宗民の雑草ノオト1.2.柳宗民著、発行:毎日新聞社」
「したたかな植物たち、多田多恵子著、発行:慨CC」
「ほんとの植物観察1.2. 室井綽他著、発行:樺n人書館」
「図解植物観察事典、室井綽他著、発行:樺n人書館」
「植物の雑学事典、大場秀章監修、発行:鞄本実業出版社」
「有用草木博物事典、草川俊著、発行:鞄結椏ー出版」

59.オニタビラコ(キク科) 粕谷
  オニタビラコは、漢字では「鬼(おに)田(た)平子(びらこ)」 と書き、鬼とは「大きな」を、「田(た)平子(びらこ)」 とは、根元の葉が田んぼに平たくは張り付 いている姿を言います。
タンポポのように、地面に張り付いた葉の真ん中から、一本 の茎をまっすぐに伸ばし、その先に黄色い小 さな花をいくつか咲かせます。
オニタビラコとよく似 た名前で、コオニタビラコという同じ仲間の野草 がありますが、春の七草の一つで、ホトケノザ とも言われています。

65.オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)
粕谷   明治時代に、ヨーロッパからやって来た野草で、実の形が「犬のフグリ(睾丸)」に似ていると ころから、変な名前がつけられました。
 野原や土手など日当たりの良い所に、青いカーペットを敷き詰めたように咲くオオイヌノフグリ は、春の訪れを告げてくれます。
 晴れている時には、花を開きますが、曇りや雨の日には、花を閉じるという面白い性質があり ます。
昼間、ハチやアブなど虫の助けを借りて受粉をしますが、受粉できなかった花は、自分のおし べをめしべにつけて種子をつくります。

@ ヘビイチゴ(バラ科)
粕谷ヘビが食べるイチゴというところから、 ヘビイチゴと名づけられましたが、ヘビは食べません。
春、田や野原でよく見かける野草で、地をはう ように茎を伸ばし、花が咲いた後に赤い実をつけます。
この赤い実は、食べることができますがおいし くありません。また、この赤い実は、花のすぐ下の茎の一部がふくらんだもので、本当の実ではありま せん。
本当の実は、この赤い実にくっついている粒々の小さな種のように見えるところです。

A イヌタデ(タデ科)
粕谷植物には、よくイヌとかキツネなどの名前 をつけたものがありますが、いずれも「にせもの」とか「くだらないもの」という意味です。夏から秋にか けて道ばたや畑などで見られるこのイヌタデも「にせもののタデ」ということから名づけられました。
本もののタデは、ホンタデとかヤナギタデと呼ばれ、葉がピリッとからく、昔から「刺身の添えもの」やア ユの塩焼きを食べる時の「タデ酢」として使われてきました。

B キツネノボタン(キンポウゲ科)
粕谷キツネが棲んでいそうな所に生えていて、 葉の形が花の女王と言われている「ボタン」に似ているところから名づけられました。
  「黄色い花びら」に見えるところは、「花びら」ではなく花びらをささえる「がく」で、花の真ん中 にある黄色い粒々のようなものが、一つ一つの花です。
また、葉や茎などに毒がありますので、手などに ついた汁を口に入れないように気をつけましょう。

C トキワハゼ(ゴマノハグサ科)
粕谷 春から秋までほぼ一年中、花を咲かせることから「トキワ」という名前が、また、実が熟すると、 種がハゼて(飛びちって)ふえていくところから「トキワハゼ」と名づけられたようです。
 日本全国どこにでも見られる身近な野草で、根から四方八方に茎を伸ばし、紫色のサギ(鳥) に似たかわいい形の花を咲かせます。

D ハコベ(ナデシコ科)
粕谷春の七草の一つ、「ハコベラ」と呼ばれ たことから、「ハコベ」と名づけられたようです。
春の訪れとともに茎を伸ばし、その先に白い小さな花を咲かせます。お正月の後、カブやダイコン などとともに「七草がゆ」として食べるのが、日本人の古くからのならわしです。
また、食べ物が少なかった時代には、「おひたし」にして食べました。

E オランダミミナグサ(ナデシコ科)
粕谷行儀よく二つならんだ葉を「ネズ ミの耳」に見たて、また、明治時代に「ヨーロッパ」から入ってきたところから「オランダミミナ グサ」という名前がつけられたようです。
 日本には、昔から「オランダミミナグサ」とよく似た「ミミナグサ」という野草がありますが、 最近では、悪い環境も平気で育つ「オランダミミナグサ」に押され、めっきり姿を見せなくなりました。

F セイヨウタンポポ(キク科)
粕谷 タンポポという名前は、花が終わ った後の白くて丸い綿毛の形が、石碑を写しとる時に使われる「タンポ」という、ポンポンに似てい るところから名づけられました。
また、セイヨウがついているのは、明治時代にヨーロッパから入っ てきたからです。
食料として入ってきましたが、悪い環境でも平気で育つため、ドンドンふえており、 昔からあるカンサイタンポポが少なくなっています。

H ハハコグサ(キク科)
粕谷  セリ、ナズナ、ハコベ、ホトケノザ、スズナ (カブ)、スズシロ(ダイコン)とともに「春の七草」の一つとして知られ、また、「オギョウ」とも呼ばれてい ます。
中国から入ってきた野草で、綿毛をまとった白い葉や茎と黄色い花のコントラストが鮮やかです。
かつて草 もちの中の「草」は、この「ハハコグサ」が入れられていましたが、少ないため、その代わりにヨモギが入れられ るようになりました。

42.トクサ(トクサ科) 粕谷
  トクサの茎は、表面が堅くて縦に溝があるため、包丁(ほうちょう)などの刃物を砥ぐ草 として利用されたことから、「砥(と)草(くさ)」と呼ばれるようになりました。    トクサは、つくしと同じ仲間で「種子(しゅし)」によってではなく、 シダやキノコのように、「胞子(ほうし)」によってふえていきます。夏になると、 茎の先につくしの帽子のような形をした「胞子(ほうし)のう」 を付け、やがて煙のように小さな「胞子(ほうし)」を飛ばして広がっていきます。

63.パンジー(スミレ科)
粕谷
  パンジーの花は、物思い (フランス語のパンセ)にふけっている人の顔に 似ていると言われています。
日本にパンジーがや って来たのは、江戸時代で花の形 が蝶に似ているところから遊(ゆう)蝶(ちょう)花と 呼ばれていました。
そして明治時代になると、 世界共通の名前であるビオラ(スミレの 仲間)・トリコロール(三つの)をそのまま翻訳して三色(さんしき)スミレとも呼ばれるようになりました。   ところでお花屋さんでは小さなスミレをビオラ、 大きなスミレをパンジーとしていますが、どちらも同じビオラの仲間(なかま)です。

66.タネツケバナ(アブラナ科)
粕谷
   田植えに使う稲の種もみの芽生えをよくするために、水に漬ける頃に花を咲かせるところから、 タネツケバナと名づけられました。
   ダイコンやナノハナなどと同じアブラナの仲間で、白い十字型の花びらが4枚あり、 田んぼなどでよく見かけます。
田植が始まる頃、種子となって土の中で眠りにつき、夏が過ぎ稲刈りが終ると、やがて種子が芽を出して育ち始めます。   そして、寒さにも負けず冬を越し、春の訪れとともに再び花を咲かせるという生活パターンを毎年繰り返します。

67.ナズナ(アブラナ科)
粕谷
   名前の由来は、撫でたい程かわいいので、「撫で菜」からナズナになったと言われています。
また、実の形が三味線をペンペンとはじくバチの形に似ているところから、 ペンペン草とも言われています。
   ナズナは、セリ、ハハコグサ、ハコベ、ホトケノザ(コオニタビラコ)、カブ、ダイコンとともに、春の七草として親しまれてきました。「七草がゆ」を1月7日に食べると、その年は、健康に過ごすことができるそうです。正月のごちそうを食べ過ぎ、疲れたお腹にとって、「七草がゆ」は、昔の人々の生活の知恵だと思います。

68.カラスノエンドウ(マメ科)
粕谷
小さな豆の入った実が、やがて熟すと黒くなるところから、 「カラス、野エンドウ」と名づけられました。
 赤紫色の花は、エンドウ豆の花に似てとてもかわいらしく、虫が花の蜜を求めて飛んで来ます。
一方、葉の付け根には、ギザギザの小さな葉が2枚あり、黒っぽくなったところから甘い蜜を出しています。アリがやって来るので、観察してみましょう。

69.スズメノエンドウ(マメ科)
粕谷
 全体的にカラスノエンドウより小さいので、「スズメ、野エンドウ」という名前が つけられました。  全国各地で見られ、本校の運動場南東角の植込みにも生えていました。
花は、カラスノエンドウの赤紫色に比べ、小さくて白っぽく、実もカラスノエンドウより毛深く、サヤの中の種子も2個ぐらいしか入っておりません。最も大きな違いは、スズメノエンドウには、とり鳥のような葉の付け根に2枚ある、小さな葉に蜜がないことです。

71.ホトケノザ(シソ科)
粕谷
   ホトケノザの名前は、切れ込みのある丸い葉がお釈迦様が座っている蓮台を思わせる ところから、名づけられたと言われています。
 北海道以外の全国各地で見られる代表的な春の野草です。花をよく観察すると、鮮やか な赤紫色の唇のような花と、小さなつぼみのような丸い花があります。
唇のような花の花粉は、虫が運んでくれますが、小さなつぼみのような丸い花は、花を開かず、自分の花粉をめしべに付けて種子をつくり、子孫を残します。

72.レンゲソウ(マメ科)
粕谷
   春のうららかな田んぼに、一面に咲くレンゲソウ、摘んだ花を輪にし花の冠にして遊んだ 記憶があります。
 レンゲソウは、中国原産の植物で、花の咲いた形が蓮の花を思わせるところから 「蓮華草(れんげそう)」と名づけられました。
 田んぼにレンゲソウを植えるのは、お米がたくさんできるように土を肥やすためです。また、花にはミツバチが蜂蜜をつくるもとになる花粉や蜜があります。

73.ニワゼキショウ(アヤメ科)
粕谷   春から夏にかけ、ちょっとした芝生に、白や紅色の小さな花を咲かせます。名前の由来は、「庭のセキショウ(ショウブの仲間)」ですが、ハナショウブやアヤメ、カキツバタと同じアヤメの仲間です。 花びらは6枚ありますが、よく見ると内と外に3枚ずつ分かれています。花びらは内側の3枚で、外側の3枚は花びらを支えているガクが変化したものです。ガクは、虫に花粉を運んで欲しいために、花びらのようにきれいになっているのです。

74.ナガミノヒナゲシ(ケシ科)
粕谷   最近、ちょっとしたアスファルト道路のすき間や空き地、溝など、身近な所で見かけるように なった野草の一つです。
 ヒナゲシと同じケシの仲間で、戦後ヨーロッパから入って来た帰化植物です。
花のしくみは、オレンジ色の4枚の花びら、1本のめしべに数本のおしべ、そしてこれらを外側から支える緑の4枚のガクとからなっています。鉛筆キャップのような形をしたものは実で、やがて熟すと、てっぺんの蓋のすぐ下にすき間ができ、埃のようなたくさんの種子がこぼれ落ちて広がります。

76.キュウリグサ(ムラサキか科)
粕谷   若い葉をもむと、キュウリの匂いがすることからキュウリグサという名前がつけられました。
春は、タンポポやナノハナ、ハコベなど黄や白の花が多い中で、キュウリグサは、淡い青紫色の花を咲かせる野草の一つです。 公園の植込みや花屋さんで見かけるワスレナグサと同じ仲間です。
茎のてっぺんから中程にかけ、サソリのしっぽのようにくるりと巻いた花のつぼみは、ほどけながら順番に咲いていきます。

77.ハルノノゲシ(キク科)
粕谷   小さなタンポポのような黄色い花をつけ、葉がケシに似て、野に生えるところから「ノゲシ」 とも言われています。
 タンポポのように、茎を折ると牛乳のような白い液体を出し、花は、朝開いて夕方にしぼむ という特徴があります。
 なお、ハルノノゲシに対し秋咲きのアキノノゲシがありますが、見分け方は、ハルノノゲシは、花が黄色く茎の中が空いているのにたい対し、アキノノゲシは、花が白く茎の中が詰まっているという違いがあります。

78.ヤエムグラ(アカネ科)
粕谷   ヤエムグラの「ヤエ(やえ八重)」とは、葉が何枚も重なっている様子を、また、「ムグラ」とは、草むらのことを言います。  山や野原のやや湿った所で見られ、高さ60p程に成長します。
四角い茎には、逆向きの刺がたくさんあり、その刺によってお互い寄りかかりあいながら、立ち上がっていることが多いようです。  夏の訪れとともに、黄緑色の地味な花を咲かせた後、引っ掛け爪のある小さな双子の実をつけ、人や動物にくっついて運ばれていきます。

79.スズメノカタビラ(イネ科)
粕谷  スズメノカタビラとは、スズメのように小さな「カタビラ(かたびら帷子)」、 つまり、江戸時代、夏に身に着けた「単衣の着物(肌着のようなもの)」を例えに名づけら れました。
このスズメノカタビラこそ、雑草中の雑草ではないでしょうか。
早春から細長い葉を根元から四方八方に伸ばし、茎の先に小さな緑の花を多数咲かせます。 そして、何度引き抜かれようが、翌年の春には、こぼれ落ちた種子から再び芽生えてくるたくましさがあります。

95.マツバウンラン(ゴマノハグサ科)
粕谷   茎の下の方の葉が松葉のように細く、ウンラン(海蘭)という花に似ているところから、 マツバウンラン(松葉海蘭)という名前がつけられました。
 5月に細い茎の先に紫色の爽やかな花を数個つけます。 少しの風にもユラユラと揺れるので、写真を撮るのが難しく、やっとの思い で撮れたのがこの写真です。
道路沿いの植えこ込みなどで、ときどき時々み見つけることができます。